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学校のハラスメントをなくそう

  学校をハラスメントのない職場に
メルマガ98号(2023年11月24日号)では、11月1日各新聞社が一斉に報じた「市立夢見ケ崎小での前校長のパワハラ懲戒処分」に関する記事を発信しました。
その報道から2か月、川崎の学校はどうなっているのでしょうか。今回は、川崎市教職員連絡会(職員団体)の取り組みを紹介します。

教職員連絡会は、機関紙「ほんりゅう川崎」昨年12月号で、「学校をハラスメントのない職場に」の特集をし、全学校に配布しました。
特集では、「ハラスメント」の実例を10項目にして紹介しました。
1. 人格否定や差別的な発言をされた
2. 怒鳴られた、感情的な叱責を受けた
3. 子どもや保護者の前で叱責や大声で注意された
4. 時間外労働(残業や休日出勤)を強制された
5. 仕事の失敗を執拗に追求、非難された
6. 仕事の内容を執拗にチェックされた
7. 何度も仕事のやり直しを命じられた
8. 意図的に仕事を与えられなかった
9. 年休など正当な権利を認められない
10. 性格や身体の特徴を取り上げてなじる
そして、次のように紙面で呼びかけました。
『みなさんの職場では、このような行為を受けたり、見聞きしたりしたことはありませんか。このような行為を許していては職場は暗くなり、気持ちよく働くことはできません。 パワハラのない明るい職場をつくるために声をあげましょう。
行政にも相談窓口、通報制度があります。利用しましょう。
教職員連絡会にも、相談窓口を作ります。困ったこと、許せないと思ったことを連絡してください。」
 
すると、さっそく数件の相談が寄せられました。
相談内容は、どれも、勤務校の校長による「人格否定の発言」「感情的な叱責」「仕事の失敗を執拗に追求、非難」「何度も仕事のやり直し」等により、メンタルを病んで休職になったという深刻なものでした。さらに、退職にまで追い込まれた先生もいました。
教職員連絡会では、担当者を決めて、市の相談窓口である市教育委員会職員部人事課に通報し、ハラスメント被害者が直接安心して訴えられる場を設定しました。次に、人事課担当者による「当該校長」の調査を実施させました。校長への調査が不十分なため、再調査を求めたケースもありました。
こうした経過を経て、事実認定をし、市教委の「ハラスメント防止に関する要綱」第7条の「人事管理上適切な措置」を求めました。
この取り組みを通して、痛感したことがあります。
ハラスメント苦情相談窓口が、市教委職員部人事課では、苦情を訴える教職員に寄り添った対応に限界があることです。川崎では、職員部と学校長の双方向の人事異動は少なくありません。これでは、管理職のパワハラに対し、公平でかつ厳しい対処は難しいのです。ハラスメントをなくすには、相談窓口の制度的な改革が緊急に必要です。
しかし、私たちは、制度改革を強く求めるとともに、パワハラに悩む先生たちの「かけこみ寺」として、現制度の中でできる最大限の努力をし、被害者たちを支援していきます。苦情相談は、メールでいつでも受け付けています。          川崎市教職員連絡会 メール renrakukai@ae.auone-net.jp

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