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2024年3月、情報公開制度を守る東京高裁の控訴審議が始まります

情報公開を求める東京高裁での裁判が始まります

教科書採択に関わる会議の音声データ不開示処分取消しを求める控訴審第1回は、3月6日(水)午後1時30分東京高等裁判所424号法廷で開廷します。傍聴者は10分前までに集合。当日は小林弁護士と畑谷弁護士が意見陳述を行います。

川崎市教委の暴走を止めるための重要な裁判の見通しは?
控訴に当たっての市教委の一審と代り映えしない主張などを考えると、控訴が棄却される可能性が高いと考えられます。しかし、昨年、湯河原町議会の少数会派の方への多数会派と町当局が一体となって行った議員活動の妨害をめぐる裁判の控訴審判決(横浜地裁では議員の全面勝訴)は、即日結審(通常、一審の判断が支持されることが多い)にもかかわらず、一転して逆転敗訴となるなど、地 裁 ・高 裁 ・最 高 裁 と順 に市 民 の思 いが通 り 難 くなる日 本 の裁 判 の現 状 を考 えると油 断 できませ ん。

なんで音声データの不開示は 条例違反なの?
川 崎 市 情 報 公 開 条 例 では 、「 市 に関 する情 報 は 公 開 することを原 則 」と定 め、情報公開ハンドブックでは非 公 開 とするこ とができる情 報 は、「 公 開 することにより個 人 のプライ バシーを侵 害 するおそれがある情 報 など、非 公 開 とす るに足 りる合 理 的 理 由 を有 するものに限 定 」 と 説明 しています。
市教委は音 声 デー タが公 開 されると
①後 々いろいろ言 われる のではないかと気 にして自 由 に発 言 できなくなり、会 議 の決 定 が偏 ったものに なるおそれ
②録 音 から発 言 の一 部 が 抜 き出 されるなどして誹謗 ・中 傷 を受 けそうだと考 え、 発 言 を控 えることが起 き 、教科書採択の仕 事 に支 障 を及 ばすおそれ
など の「 おそれ」があるので公開できないと主張しました。
しか し市 教 委 は 「おそれ」が現 実 になった具体例を示 すことはでき ませんでした。
その結 果 、横 浜 地 裁 は 「 合 理 的 理 由 」がないの に公 開 しなかった事は、情 報 公 開 条 例に違反 すると して 、市 教 委 の非 公 開 決定 を取 消 す命 令 を下 しました。

市教委は控訴した理由を なんて言っているの?
市教委は、地 裁 判 決の逆 転 をねらい、「 横浜地裁の判示 は誤 りである」 と述べています。
その理 由 として、「 審 理 および判 断 するべ きポイントは、会 議 の録 音 が開 示 された場 合 、委 員 が録 音 の一 部 を抜 き出 され悪 用 され ることに不 安 を感 じるおそれがあるかどうか、またその ような不 安 があることで委 員 が自 由 に発 言 する事 を ためらうおそれがあるかどうか、という点 にあり 、公 開 された録 音 が悪 用 されるおそれが具 体 的 にあるかど うかではない、」と主張 しています。
そして、市教委は 元 総 合教 育センター所長 と現 職教 育委 員 を証人 申請 しま した。
申請理由 は
「 証 人 により 、音 声 データ が開 示 されることとなると、 音 声 データが悪 用 されることに不 安 を感 じるおそれがあり、忌 憚 のない意 見 を述 べることを差 し控 えるおそれがあることを立証 する」 としています。元 公 務 員 と「 特別 職 公 務 員 」が、条 例 上のきまりではなく、個人の不安 感 情 こそ配 慮 するべき対 象 と主 張 することに、ただあ きれるばかりです。

音 声 データ開 示 によって、情 報 をより早 く、正 確 につかみやすくなり、行 政 との協 働 もより深 まる可 能 性 が高 くなったのに 、後 退 させる訳 にはいき ません。
控訴審でも「完全勝訴」となるよう今回も皆様のお力をお貸しください。勝手なお願いではありますがカンパや傍聴参加などご支援よろしくお願いいたします。
情報公開制度を活かす川崎市民の会 畑山裕

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