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「かわさきの安全でおいしい水道水を守る会」の請願署名で大きな成果

「かわさきの安全でおいしい水道水を守る会」の請願署名で大きな成果

―生田浄水場復活、企業団の将来構想見直しへ前進!―

●企業団議会への請願は22年ぶり、1807名の署名を提出
かわさきの安全でおいしい水道水を守る会(以下、水の会)が取り組んだ4項目の請願署名(1807筆)が、2023年1月12日、神奈川県内広域水道企業団・大江事務局長に提出され、2月9日の企業団議会で審議されました。
企業団の将来構想や議会運営に関する1,2,4の項目は常任委員会で、議員報酬に関する3の項目は非公開の議員運営委員会で審議されましたが、本会議で4項目とも不採択となりました。(紹介議員である、日本共産党の井口真美議員以外、川崎市選出の石田、浅野両議員をはじめ、残りの10名全員が反対)
しかしながら、
①企業団の再構築計画ストップ(予算ゼロ)
②非公開の会議録全面公開で新事実が判明、今後の浄水場復活の大きな動機に
という大きな成果を得ることができました。

●企業団再構築計画予算をゼロにした論戦ポイント
水の会が、川崎市上下水道局に情報公開を求めて入手した膨大な会議録(5事業者水道事業連携推進会議第1回~第21回)を活用した井口議員の論戦で、企業団水道ビジョンの以下の問題点が浮き彫りになり、再構築計画は協議継続となるも、令和5年度予算はゼロとなり、実質的にストップとなりました。
①見当違い、論点ずらしの審査
「生田浄水場の再整備など、構成団体の既存施設を更新した場合の計画も検討し、更新事業による市民負担を最小限とする計画を立案すること」を求めたのに対し、生田浄水場は川崎市が廃止を決めたもので、生田浄水場の再整備はしないと論点をすり替えました。
②各自治体が更新するより企業団施設を更新したほうが824億円安くなるデータは意図的に作られたのでは?
入手した資料中、令和3年1月会議の「水道システム再構築による効果」に削減効果824億円の根拠が記されており確認したところ、効果の数字には廃止する3浄水場の解体費用や新たに必要な管路の整備、西長沢浄水場の更新費用等が含まれていませんでした。
③西長沢浄水場更新は無視
「企業団西長沢浄水場の更新工事は、稼働しながら施工するため困難かつ高額になります」という請願趣旨について議論がなく、最近の物価高が反映されていない、以前算定した削減効果だけを示し、「生田浄水場の再整備など、構成団体の既存施設を更新したほうが安価になり、災害時の水確保ができる」という、私たちの主張については取り上げず、表面的な議論に止まりました。(ちなみに動力費予算は昨年度より約42億6400万円増)
④5事業者の中には不安の声あるも強行
令和3年3月の会議では、浄水場のダウンサイジングで「県内8浄水場の余力が当然少なくなる」「事故時の対応や工事の時期が重複したときの調整などが現在でもかなり厳しい」が「さらに調整困難な状況になる」と企業長が発言。直近の会議では、横浜市水道局長から「小雀浄水場が廃止されると、工水取水で困る」など、各構成団体の戸惑う発言があり、計画についての共通認識や合意がなされていないようです。
⑤企業団の役割を逸脱した考えの議論に待った!
用水供給という特定の目的のみの権限を有する一部事務組合が、構成団体の権限である地方自治体の計画に介入すべきではありません。したがって一体化の議論はやめるべきです。

また請願項目3の、企業団議員の高すぎる議員報酬(年間で、議員97万2千円、議長117万6千円、副議長108万円)の見直しについても討議されましたが、不採択となりました。そもそも議員報酬額は企業団ではなく、議会開催日数や活動日数に基づき、企業団議員が決定しているとのことで、「議員は報酬に見合う十分な活動をしている」「多くの給水人口を抱える責任の重さから判断して当然」と主張。しかし、井口議員から水の会に提供された企業団配布説明資料では、年5日間の日数に対して年間24日活動していると記載されており、会議日数が水増しされているのでは?という疑念が生じています。水の会は本件について企業団に回答を求めていますが、いまだに返事がありません。

今後、水の会では川崎市に対し、市の更新計画には生田浄水場復活(更新費用約114億円)も視野に入れるよう要請するとともに、企業団西長沢浄水場更新工事に関連して、水道料金値上げにならないよう、市民目線での対応を求める、としています。

※企業団の再構築計画

かながわ広域水道ビジョン・素案(令和3年/参考)

 

 

 

 

 

 

 

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