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登戸のタワマン計画は見直しを!公聴会で市民5名が意見陳述

登戸のタワマン計画は見直しを!公聴会で市民5名が意見陳述

多摩区登戸で現在進められようとしている「登戸駅前地区第一種市街地再開発事業」に対する公聴会が、4月22日多摩市民館で開催され、「登戸のまちづくりを考える会(以下、考える会)」のメンバーを含む市民5名が、素案に対する意見陳述を行いました。
当該事業は、事業着手から34年目、最終盤を迎える登戸土地区画整理事業区域内の一部(登戸駅前)に、市街地再開発事業を適用させて、駅から直結する地下2階地上38階建てのタワーマンションを建設するというものです。

参加理事者は、川崎市まちづくり局都市計画課と登戸区画整理事務所。
公聴会には十数名の傍聴があり、公聴会後、参加の市民からは「市街地再開発事業の問題点がよくわかった」「市民への情報提供があまりに少ないことに驚いた」などの感想が、考える会に寄せられました。

意見陳述の要旨は下記のとおりです。市の見解は各陳述者に個別に示されるほか、HPでの公表も予定されています。ぜひご注目ください。
また、考える会では今後、この市街地再開発事業に関連し、事業計画の市民へ丁寧に周知することや、計画案の見直しなどを求める陳情を市議会に提出することが予定されています。

意見陳述要旨

<陳述者A>
・タワマンは昨年提示された地上35階から38階へ、住戸も400戸から450戸へと大幅な変更。
なぜこのような容積率緩和が行われたのか。
土地の高度利用というが、公共施設も計画されておらず住民にとっての利益がない。まず、タワマンを建てる意義をきちんと示すべきだ。
・タワマン関係車両250台(うち商用90台含む)の出入りは、幅員6メートル道路からのみとなっている。近隣には新たな街区公園がつくられるが、周辺交通あるいは風害の影響など、安全性は担保できるのか。

<陳述者B>
・タワマン建設ありきで事業が進められているが、以下の理由で見直しを求めたい。
①防災上の不備 計画では災害時帰宅困難者の一時避難所を1、2階の立体広場としているが、洪水時は最大5メートルの浸水深地帯であり、避難所とするには不合理。収容人数も不明である。
②公共性の欠如 武蔵小杉では、市立図書館や市民館、総合自治会館などがタワマンに設置されているが、登戸は皆無である。
③住民の不利益 タワマン建設により、風害は必至。登戸駅から生田緑地がまったく望めなくなる景観的激変。稲田中学校をはじめとする小中学校の教室不足など、住民に負担を強いることのほうが多い。

<陳述者C>
・事業計画には「駅前に自然を感じられる空間を創出する」とあるが、それはバイオフィリックデザインの採用など、人工的な緑化にすぎない。現在、枡形山や生田緑地を望める自然環境はすでにあり、矛盾が生じている。
計画はむしろ登戸らしさを失わせるものだ。
・450戸は子育て世帯を対象とし、子育て支援機能を持たせるとしているが、周辺の子育て環境の悪化は必至。
小中学校の教室不足は、稲田中学校が1教室不足としているが、国勢調査による算定であり、読みが甘い。
また、立体広場はキッチンカーなどを配置するような内容で、子どもがのびのび自由に遊べる空間ではない。これで子育て支援機能といえるのか。

<陳述者D>
・緑豊かな生田緑地につながる玄関口である登戸駅前に高さ140mを超えるタワマンは、コンクリートジャングルを思わせ圧迫感も与えるので、地球温暖化対策も考えつつ、再考を望む。
・大気汚染の問題に関して、NO2の環境基準が緩和(改悪)されたものをふりかざし、これをクリアすれば問題なしとしているが、実際のところ小児喘息などの被害が増大している。
250台の駐車場による排気ガス、450世帯分のゴミ収集車による窒素酸化物などの増加により、周辺住人の気管支喘息患者をこれ以上増やさないよう再考を望む。

 

<陳述者E>
・当該地は区画整理事業区域内で、周辺道路の拡幅や老朽化した家屋の機能更新がすでに整えられている。お膳立てされた場所への市街地再開発事業の適用は、開発事業者の利益供与のためとしか思えない。
・用途地域の変更、高度利用地区の変更、地区計画の変更などで、容積率緩和を可能としているのも、利益追求のためではないか。
・タワマン全体で6万3500㎡のうち、立体広場やペデストリアンデッキなどの公共空間は4%にも満たない。これからのまちづくりには、欧米の都市のような駅前に都市公園をつくるような発想が必要ではないか。

「登戸のまちづくりを考える会」事務局 川崎市多摩区登戸3398の1 大樹生命登戸ビル5階 川崎北合同法律事務所気付 ℡044-931-5721

登戸駅前市街地再開発事業計画素案概要

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