2 0 2 4年11月26日 川崎市長 福田紀彦殿 川崎市まちづくり局長 宮崎伸哉 殿 リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会 共同代表天野捷一、山本太三雄、矢沢美也 リニア新幹線シールドトンネル工事 (梶ヶ谷工区、東百合ヶ丘工区等)に関する申し入れ書 5月2 9日に私たちの連絡会の要請書を提出し、約1か月後に市長回答をいただきまし たが、私たちの具体的な要望については触れず、「JR東海は工事認可を受け、安全安心 へ 対策を講じながら工事を行っており、住民に対して工事の進め方や安全対策を説明してい る」と回答しています。 この回答を読めば、市としてJ R東海に対し大深度トンネル工事に対し工事内容につい て具体的な要望や指示を行っていないと見られます。 しかし、北品川工区や小野路工区(町田市)では同じ工法による深刻な事態が生じてい ます。 11月2 4日の東京新聞は、特報面で小野路工区の工事が原因とみられる地下水や気泡 の発生について取り上げいます。その記事の中で立教大学の関礼子教授(環境社会学)は、 「外環道の工事で既に、土地陥没や掘削時の振動による身体不調など、地表面への影響が 訴えられている。大深度地下であっても、市民の生命と財産を守る立場である自治体が無 関係とは言えない。行政は沿線の自治体とも連携して情報を収集し、異変が起きれば自ら 調査したりJ R東海に説明を求めたりするべきではないか」と話しています。 J R東海は確かに説明会やオープンハウスを開いていますが、工事の安全性を強調する ばかりで、リニア大深度工事について地表面への影響が出ていることなど私たち市民、住 民の置かれている状況とはかけ離れているのです。 川崎市としてリニア大深度工事について市民、住民の不安を解消するためJ R東海に対 し強く対応するべき時が今です。大深度工事の影響が川崎市で今起きてもおかしくありま せん0 1.申し入れの理由 ① リニア大深度トンネル工事が原因とみられる深刻な事態 •東京のリニア新幹線北品川工区の調査掘進のさ中、8月中旬に真上の目黒川の水面に 気泡が発生、数日間続いていることは住民が確認しています。地元では気泡やその酸素 濃度の測定を求めましたが、11月中旬になってJR東海は酸素濃度が4%だったこと を回答しました。一般的な空気酸素濃度は21%ですから、まさに致死性の酸欠気泡だ ったことが明らかになりました。 •更に1°月下旬には同じ調査掘進が行われていた町田市の小野路工区で、地権者の庭 先に地下水と気泡が勢いよく噴き出しているのを住民が見つけ、地元の市民団体が地下 水と気泡を採取しました。その後連絡を受けたJ R東海は水と大気を採取しました。 市民団体の分析では気泡の酸素濃度は1%という極めて危険な数値でした。一方J R 東海は、気泡自体をまず調べるべきなのにそれをせず、現場の噴出上方の大気の酸素濃 度だけを調べ、18~19 %と公表。「問題はなかった」と住民に文書で説明しました。 本来すべき測定をせず、問題のない結果が予想できる測定だけをして公表するのは、 起きた現象を安全に見せかけ、矮小化しているのと同じです。 また、工事で使用されている気泡材の成分の陰イオン界面活性剤も水道水質基準の0.2mg/lを下回る0. 0 4mg/Qで「問題はなかった」としました。 人体や環境に影響を及ぼす陰イオン界面活性剤の〇・ 〇4mg/lも、通常の井戸水 に比べれば高い濃度なのです。例えば、川崎市が麻生区王禅寺などで定期的に行ってい る井戸の水質検査では、10月1日の検査結果の陰性イオン界面活性剤の濃度は 0. 0 0 5 m g /l未満です。 ・こうした気泡や地下水の発生とリニア大深度工事との関連について、j R東海は「調 査中である」として因果関係を認めていません。私たちは、目黒川や町田市の事態はり 二ア新幹線の大深度工事が原因であると考えます。少なくとも、同じ工法で行われてい る大深度トンネル工事を一旦中止し、改めて原因究明と解決策の策定を優先すべきです。酸欠気泡がもし地下室など住宅の気密性に高い場所に発生し、それをヒトが吸ったら 非常に危険です。同様に気泡材の流出も危険です。井戸等に混入すればこれを住民が飲むことになるからです。 ② 気泡シールド工法の見直しが緊急措置である •気泡シールド工法は、シールドトンネル掘削の際特殊な起泡材(気泡材)をシールド マシンの切羽やチャンバ内に注入し、掘削を容易にする工法であり、経費も削減できる ことから都市部のシールドトンネルエ事には常時使われています。しかし、直径14m を超えるマシンの稼働には気泡材の量も多く必要です。その結果、掘削土量の取り込み 過ぎや土質の変化で地盤が崩落したり、気泡材を含む地中の空気が押されて地表に漏洩 したりしていることが考えられます。私たちは、気泡シールド工法の見直しが必要であると考えます。 ③ 正確な地質謂査のためにボーリングを追加すること ■ J R東海は大深度トンネルの調査掘進を始めるための説明会で、「首都圏の大深度卜 ンネルルートには外環道のような特殊地盤は存在しない。安全かつ確実な工事管理を行 うので地表に影響は無い」と言明しました。その後北品川工区ではマシントラブルやエ 事設計の誤り何度も調査掘進を中断、そして目黒川では酸欠気泡が発生したのです。 小野路工区の調査掘進でシールドマシンの発進時にマシンが不調で修理に時間がかか り工事が中断し、今度は地下水と酸欠気泡を漏洩する事態になりました。 ■ J R東海の工事説明は信用できません。あまりにも地質調査が不足しており、文献調 査にあるボーリング調査もリニアトンネルに至る大深度地下には達していません。ボー リングも非常口周辺に集中し、非常口間のルートでのボーリング調査は文献も極めて少 ないのです。自治体としてこのような実態では地表にどのような影響があるかわからな いのです。地元自治体としてJ R東海に地質調査の追加実施を求めるのは当然の権利だ と思います。 ④ 住民の立場に立ってJ R東海に対応を 5月の要望書でも述べましたが、工事影響の問い合わせをJ R東海の個別対応に任せる だけでは、工事による影響の全体像が見えてきません。個々の被害者が孤立したまま必 へ 要な情報を共有できず、「泣き寝入り」する結果にもなりかねません。JR東海が因果 関係を認めないうちは適切な対応がとられず、正当な補償が受けられない恐れがありま す。このような懸念を防ぐためには、市が正確な情報を把握し、必要に応じて事業者と 交渉する体制を整えていくことが必要です。市として声を上げるべき時です。 2. 以上のような事態と市内での工事影響が起きることを考え、市に対し以下を求めま す。 1,目黒川や小野路工区の地表への影響を重大視し、J R東海に対しリニア工事との 因果関係を早急に明らかにさせること。具体的な改善策が出されるまでは市内の トンネル掘削を止めさせること。 1.リニア新幹線の大深度トンネル工事の気泡シールド工法の見直しやルート周辺の地質調査の追加をJ R東海に求めること。 1、市内のリニア新幹線大深度工事について住民も不安を高めている。J R東海に対 し住民説明会を開かせ、工事内容や今後の工事について改めて丁寧に説明し、同 時に住民の声をしっかりと集約し、工事の改善につなげさせること。 1, 市として、リニアルート上の井戸を数か所設置し、定期的に水質検査を行いその 結果を住民(市民)に公開すること。 1. 市として、リニア新幹線大深度工事ついての住民(市民)の相談、問い合わせ窓口 を設置し電話番号を公開すること。相談・問い合わせ内容についてできる範囲で公開 すること。 以上