
文部科学省は3日、2026年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の成績とアンケート調査の分析結果を公表しました。新聞、テレビでも一斉に報道されたので、その中身が気になった方も多いのではないでしょうか。
少しデータを追ってみると
1 中学生の半数、小学生の3割超が「3時間以上」の現実
SNSや動画視聴などの時間と学力の関係は、私の予想を超えていました。
- 平日にSNS利用や動画視聴などの時間が1日あたり「3時間以上」と答えた中学3年生は49・1%(24年度比17ポイント増)、小学6年生は37・3%(同16・8ポイント増)で、大幅に増加した。
- 算数・数学の場合、「4時間以上」と答えた小学生の正答率が47・7%、中学生の正答率が48・7%だったのに対し、「30分未満」では小学生が68・6%、中学生が69・6%で、いずれも20ポイント以上の差が生じた。
- 学校の授業時間以外の勉強時間は小学校、中学校ともに21年度以降、平日と休日のいずれも減少傾向。平日1日あたり「1時間以上」と答えたのは、中学生が61・7%(21年度比14・1ポイント減)、小学生が50・3%(同12・5ポイント減)、休日は中学生が52・8%(同24・8ポイント減)、小学生が39・4%(同21・8ポイント減)だった。
2 川崎市は、早急に、学校でのSNS利用の見直しをすすめるべきでは?
そもそも、私は、現在行われている全国学力テストそのものに、反対ですが、子どもたちの生活と学習の関係を考える資料としては使えます。そのためだけなら、全員調査をする必要はなく、サンプル調査で十分であり、民主党政権時の政策がそうでした。
それはさておき、ここまで、SNSの弊害が明らかになったのですから、この結果を受けて、文科省と川崎市教委は早急に、学校でのSNS利用の見直しをすすめるべきではないでしょうか。
しかし、現実は逆方向にアクセルが踏まれています。
文科省は、中教審に学習指導要領の全面改定を諮問しました。そこでは「デジタル学習基盤を前提」「情報活用能力の抜本的向上」「GIGAスクール構想から教育DXへ」を推進するものになると示しています。
川崎市の学校の現状は、デジタル化へと猛進です。GIGAスクールの先進都市をめざしているようです。小学校1年生から、一人一台端末を持たせ、持ち帰らせることを奨励、強制しています。宿題も、紙ベースではなく、端末を使ったAIドリルの採用を奨励。学校でも家庭でもスクリーンを見る時間は野放しです。川崎市の子どもたちの学力テストのアンケート結果をはやく知りたいと思います。
一方、世界では、すでに学校教育でのデジタル化の見直しが進んでいます。
(以下は、雑誌前衛8月号、田中康寛さんの寄稿からの引用です。)
教育のデジタル化先進国である北ヨーロッパ諸国では、「読み・書き・計算能力、人間関係能力」の深刻な低下が現実化し、デジタル機器の多用で、「書く、話す、体を動かす、人と交わる」ことが奪われ、脳の発達にも影響が及んでいます。そして、子どもだけではなく、教師自身が教える能力を失い、取り戻す困難に直面しているのです。
- スエーデン デジタル学習ツールの低学年使用を中止、紙の教科書の復活
- ノルウエー デジタルでなく、世界最高の読者家を育てる
- デンマーク スクリーンを多用する授業を制限、紙の教科書の増刷、手や間隔を使う教育の重視
- フィンランド デジタル教材を紙の教科書、アナログ教材へ戻す
- アメリカの一部の州 学校配布の一人一台端末の使用制限、端末は持ち帰りでなく校内に保管へ
日本の学校と教師たちが作り上げてきた対面教育の良さを、今こそ、声高に、保護者も、元保護者も、教師も、元教師も叫びだすべきではないでしょうか。 ストップ、デジタル前のめり教育!