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三菱ふそう跡地に、市民ミュージアムと緑豊かな憩いの場を求める陳情、不採択に

三菱ふそう跡地に、市民ミュージアムと緑豊かな憩いの場を求める陳情、不採択に

 

陳情は、三菱ふそう工場跡地への国内最大級の巨大物流倉庫建設計画に反対する「西加瀬巨大物流倉庫を考える住民の会」が賛同者を4183名も集めて提出しました。陳情は、8月29日市議会文教委員会で審議され、20名もの傍聴者が見守る中で、1時間ほどの質疑の末、共産党市古議員、小堀議員が採択を主張しましたが、多数決で不採択となりました。

 

<川崎市が、住宅密集地の真ん中に巨大物流倉庫をつくることを容認、後押し>

川崎市担当者は、大和ハウス工業の計画が10ヘクタールの敷地のうち、建物(倉庫)で47%、車路で27%、あわせて74%が物流倉庫関連が占めているのに、なお「地域との共存を目指す物流倉庫の開発」だと述べました。陳情に対する川崎市の発言は、怒りを通り越して、あきれてしまいました。

 

そもそも、川崎市は、2017年1月に三菱ふそう跡地を大和ハウス工業が購入した2年後の2019年3月に「西加瀬地区における大規模工場跡地の土地利用の基本的な考え方」を住民に公表しました。

それは、現地の地図に4つの円を描き、①新たな産業創出 ②商業機能 ③生活サービス機能 ④憩い・潤いの創出 となっていました。この図では、①から④までの円の面積は、ほぼ同じだったのです。これを素直に読めば、少しは期待がもてる土地利用の考え方だと、多くの住民は受け止めたと思います。

しかし、大和ハウス工業が2020年に住民に提案してきたのは、10ヘクタールの4分の3を物流倉庫と車路が占有する、まさに日本最大級の巨大物流倉庫建設計画だったのです。川崎市が示した「土地利用の基本的な考え方」とは、大きな食い違いがあるのは明らかです。

川崎市が考える「新たな産業創出」とは、「住宅密集地のど真ん中に巨大物流倉庫を造ること」だったのでしょうか。

また、川崎市が考える「憩い・潤いの創出」は、敷地全体のわずか6パーセント、0.6ヘクタールの2つの公園で可能とするのでしょうか。しかも、そこからの景観は、高さ50メートルもの物流倉庫と、大型トラックの車路、東海道新幹線の高架なのです。

 

しかし、審議の中で、川崎市担当者は議員の質問をはぐらかして、認めようとはしなかったのです。そして、自民、公明、みらい、維新、無所属の議員は、川崎市の説明の矛盾点を追求することもせず、陳情を不採択としました。

 

「巨大物流倉庫を考える住民の会」が提出した4183名の署名と、「住民の会」が実施した「生の声アンケート」での95%を超える「物流走行計画は反対」の声は、否決されました。1日24時間、年中フル稼働の巨大物流倉庫が、「地域との共存」できるわけがないのです。しかし、ここであきらめる必要はありません。

解体工事は6か月も伸びて10月に終了し、これから、西加瀬プロジェクトは、建築申請の段階にやっとはいります。今回の審議の中で、川崎市は「事業者もできるかぎり住民への配慮をし、見直しをしている」と発言をしています。「地域との共存」が可能な西加瀬プロジェクトへの見直しを今後も粘り強く求めていきます。

巨大物流倉庫を考える住民の会事務局

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