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環境破壊のリニア中央新幹線は中止を求めます

 

環境破壊のリニア中央新幹線は中止を求めます

建設進むリニア縦坑(等々力緑地)

リニア中央新幹線の「シールドトンネルにおける安全・安心等の取り組みに関する説明会」が、トンネルルートとなる中原区、高津区、宮前区、麻生区で8月に行われ、各会場100名近い住民が参加しました。
この説明会は、同じ大深度のシールド工法で工事が行われた、東京外環道のトンネルの工事中に、調布市の住宅地で地盤の陥没や地価の空洞化が発生したことから、JR東海によりシールド工事についての安全性について、住民に説明をするものでした。
しかし、JR東海の説明は住民の不安を取り除くものではありませんでした。
この説明会を受け、10月11日 リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会が、川崎市長と市議会議長に宛てに要請書を送りました。
要請の内容は、
(1) 川﨑市内のリニア大深度トンネル工事を一時中断し、ルート上のボーリング調査を 50m~100m 間隔で行いその結果を公表すること
(2) 市の導水隧道とリニアトンネルの近接交差(川崎市外のものも含む)に つきJR東海との協議内容を公開すること
(3) 市としてリニア工事について安全性や環境影響に関する中立的な検討委員会(第三者委員会)を設置すること。 です。
それまで安全ばかりを強調してきた事業者ですが、その信頼は完全に崩れ去ったと言えます。
同様の工法で掘削を行うリニア新幹線の工事でも調布市のような事態が起きることを、川崎市内16キロ余りのルート周辺住民は怖れています。
リニア中央新幹線の電力消費は現在の新幹線の3倍の電力を必要とし、省エネ脱炭素の政策に逆行しています。
しかも、大規模なトンネル工事が必要で河川の流量減少や、トンネルを掘った時に出る、膨大な土の処理はどうするのか? そして 莫大な費用をかけて開業しても事業採算は極めて困難です。
このようにいくつもの解決困難な課題に向き合わず、見切り発車で強行されています。
このコロナ禍で、以前は一般的に使われなかったテレビ会議が、普遍的なものになってしまったため、都市圏間の移動を大幅に短縮するとうたったリニア新幹線のビジネス需要は当てに出来なくなりました。
時速500Kmの真っ暗闇の運賃の高額な鉄道をどれだけの人が使うでしょう。
川崎民主市政をつくる会は、このような何一つ説明のつかない無謀な計画は直ちに中止することを求めます。

リニア新幹線ニュース1月号外

<リニア中央新幹線は南海トラフ巨大地震と活断層地震で損壊する>

石橋克彦氏(神戸大学名誉教授/地震学)が、リニア中央新幹線の地震に対する脆弱性を指摘し、国もJR東海も地震安全性について審議していないと批判しています。
時速150キロまではゴムタイヤでガイドウェイと接触していますが、徐々に浮上し、高速時は10cm浮上します。
一方、車両側面とガイドウェイの隙間は僅か4cmです。リニアの磁力が強力なので、普通なら接触はしません。
しかし、激しい地震に襲われてガイドウェイと車両が激突したらどうなるかは検証されていないようです。

地震問題を無視した計画(抜粋)

JR 東海は,リニア中央新幹線は地震に強いシステムだと主張している。
前述のように車両はU 字型ガイドウェイの内側を非接触で走行し,車両を常にガイドウェイの中心に位置させようとする電磁力が働いているから,地震時に脱線することはないという。
また,東京・名古屋・大阪のターミナル駅および路線の大半は地下構造やトンネルで地震時の揺れが小さく,さらに東海道新幹線で実績のある早期地震警報システム(テラス)を導入して,地震時には早期に列車を減速・停止することができるとしている。
小委ではリニア中央新幹線の地震安全性についての審議はまったくなされなかった。
第 2 回小委(2010. 4. 15)で,国交省の担当者が地震対策に関して簡単な説明をしたが,委員から質問や意見は出なかった。
第 3 回小委(10. 5. 10)で JR 東海へのヒアリングがおこなわれたときも,リニア中央新幹線自体の地震安全性の議論はなかった。

全文はこちら
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/eKagaku_202010_Ishibashi.pdf

石橋克彦教授の著書
リニア新幹線と南海トラフ巨大地震/「超広域大震災」にどう備えるか
https://paypaymall.yahoo.co.jp/store/honyaclubbook/item/9784087211719/

リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会(略称:リニア東京・神奈川連絡会)

JR東海のリニア中央新幹線計画によると、そのルートは東京の品川から大田区や世田谷区を通り、多摩川を渡って神奈川県に入り、更に相模川と道志川を渡り山梨県の実験線につながります。東京・神奈川の走行距離は60kmで、このうち東京(品川、太田、世田谷の3区、および町田市)と川崎市の35kmが大深度トンネルで、最高時速500キロの高速で浮上走行します。品川、名古屋のほか、神奈川・山梨・長野・岐阜各県に中間駅が作られる予定で、神奈川県と相模原市はJR橋本駅地下に建設するようJR東海に要請してます。
私たちは、2011年秋にこの計画沿線地域で行われたJR東海による住民説明会に参加し、また研究者の話を聞く中で、その環境適応性や採算性、技術的な安全性などに多くの問題があることを知り、2011年12月、東京・神奈川の計画沿線住民が集まって立ち上げた普通の市民による組織です。建設事業者であるJR東海や沿線の自治体に対して、建設計画の詳細な情報開示と、住民が納得しない計画の再検討と凍結を求めて活動しています。
会員は原則個人参加で、連絡会の活動のほか、麻生の会、宮前の会、中原・高津の会などを作り、各々の居住地域での活動も同時に行なっています。リニア新幹線に関心を抱く方はどなたでも入会できますので、一緒に学習し活動していきましょう。

共同代表  天野捷一、 山本太三雄、矢沢美也

http://web-asao.jp/hp/linear/

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