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陽が当たり、園庭のある認可保育園を

 

陽が当たり、園庭のある認可保育園を

公園を探して歩く園児たち

市内の「保育格差」の広がりは深刻です。「ポストの数ほど保育所を」という市民運動の中で建てられた保育園は、量だけでなく保育の質の向上、子どもの健康作りにも配慮し、一定規模の園庭を必ず備えていました。
その後の人口増と、所得減少による共働き家庭の増加が深刻な保育所不足をもたらしました。
川崎市は、国が2001年に打ち出した「園庭は公園、広場で代替できる」という規制緩和に便乗する形で、次々と園庭のない保育園を設置してきました。
しかしなんと川崎市は、一人あたりの都市公園面積、政令市ワースト2位という実体で、園児達がのびのびと遊べる公園自体が元々不足しているのです。
人口が急増している中原区の武蔵小杉駅周辺では、1つの公園に複数の保育園児が集中し、園児を公園に連れて行っても、他の保育園と重なってしまい、諦めて遊ぶことすらできずに引き返すこともあるそうです。
公園では、譲り合いの工夫をしながら遊ばせますが、のびのびと子ども達を遊ばせることは出来ません。
福田市長は、青年会議所主催の公開討論で、市古市長候補が「園庭のある認可保育園をまず10園作る」と言ったことに対して「それを前提にすると保育所整備は立ちゆかなくなる」と発言されました。
武蔵小杉について言えば、はじめから子育ての環境に配慮せずに、人口一極集中のまちづくりを推し進めてきたことが問題なのです。
広大な土地にタワーマンションを建設するなら、園庭のある保育園を計画に組み込むことが出来たはずで、陽も差さず、園庭のない保育園に子ども達を押し込める結果になったのは、行政の責任です。
子ども達が、陽の当たる広い園庭でのびのびと遊べる環境は、体力作りや社会性を培う、成長、発達の上で欠かすことのできないものです。その環境整備は行政の責務であり、土地がないと言うのであれば市が積極的に確保すればいいだけではないでしょうか。
川崎民主市政の会は、かつて言われていた「子育てするなら川崎で」を取り戻すべく、子ども達が伸び伸びと成長できる環境整備を最優先にして、まずは10園の園庭のある認可保育園を整備を求めます。

公園に集中する複数の園児たち
土のある園庭で運動会

待機児ゼロの真実

2022年5月10日、川崎市は4月1日現在の保育所等待機児童数は、2年連続ゼロを達成したと報道発表し、各新聞でも地方版で、市の発表をそのまま報道しました。
しかし、市の発表資料を精査してみると、実は、認可保育園の入所を希望しても入所できなかった「隠れ待機児童」が2,000人以上いることが見えてきます。

まず、川崎市は1月に、認可保育園の申し込みの一次調整の結果を発表しました。
これによると。入所保留になった数が、2,189人でした。

今回4月の発表では保留児童数は1,552人、3か月の間に637人も減少しました。
その理由は、申請の辞退や市外への転出などが考えられます。

川崎からの子育て世代の転出は急増しています。

川崎市が転出者に市政への要望をアンケートした結果では「保育など子育て支援施策の充実」が第1位(38%)になりました。
多くの方が、安心して子育てできる環境を求めて、転出しているのです。

次に、4月段階の保留児童が1,552名いたのに、なぜ、待機児ゼロになるのでしょうか。
実は、この保留児童1552名に対し、市の認定保育園等に330人、育休延長で767人、特定保育所を希望したので入所しなかった307人、求職活動休止29人などと次々に「引き算」をして、最後に「ゼロ」の発表となったわけです。
希望が叶わず苦渋の決断を迫られた子育て世代の姿が浮かび上がってきました。

今年度の保育所入所申請者は、36,107人で過去最大、就学前児童数の申請率は49.1%で過去最高を更新し続けています。

今後も、保育への要求は強まるでしょう。

 

川崎市は、認可保育園への入所希望に見合う認可保育園の増設を進めると共に、認可外保育園等にも充実した支援を行い、保育環境全体を改善し、子育て世代が安心して働き、生活できる町をめざすべきです。

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